305
P305。「風景」 156×140㎝ 変形100号程度 キャンバスに油彩 1959-1960 
この風景はシャシーの館の正面から斜面を降りた所から見ているようで P299の「農場」にも描かれた納屋が樹木の向こうに描かれている。手前の樹木の枝が織りなす不定の線が構成されている。この樹木の枝による構成は P304の「農地」のゆるさと不定の形とは異なり もう一度 秩序と均衡を成立させようとしているようだ。背景の建物の直線との対比も復活している。

P306。「牛のいる大きな風景」 162×130㎝ F100号 キャンバスに油彩 1959-1960
この作品は先の P305の「風景」が習作に見えるほど似ている。そしてより描き込まれている。樹木の曲線は複雑だが 大まかに4本の樹ごとに特徴的な枝振りになっていて 互いに関連性を持ち 有機的な線の構成を見せている。そしてその奥にあるシャシーの納屋は青空の下で 日射しを受けて明るく輝き 樹木の有機的な構成に対して直線的で 対比の効果を見せている。
また樹木の向こうにいる牛と青い服を着た男が描かれているが 真横から描かれた牛は鼻先から背までが真直ぐで面白味があり 牛の後ろに立つ男は手を上げて この絵を見ている我々に答えているようで親しみがある。まるでバルテュスが絵の中からこちらに向かって挨拶を送っているようだ。青々とした空の下で樹木の中を歩く 牛と男を見ているとシャシーでの生活の穏やかさが感じられて微笑ましくなる。しかし樹木の枝は決して穏やかではない。