175
P175。「赤い魚」 62.2×55.9㎝ F15号程度 キャンバスに油彩 (1948)
この作品は先のP174の「赤い魚」と同じだが 右側に女性が一人描き加えられている。幼子の母親らしき女性は真横向きで立ち ガラスの器の中の赤い魚は2尾に増えている。幼子と女性は金魚の入っているガラスの器を見ているが 猫は金魚を見ずにこちらを向いて微笑んでいる。この三者はガラスの器に入った魚を中心にして繋がっていて 幼児の顔 ガラスの器 猫の頭は皆丸く 立っている女性の顔は半丸である。また先のささやかな世界を包む暗黒の宇宙と言った飛躍を生んではいないと思うが 同じような言い方をするなら一つを中心にして回る惑星か。

P176。「赤い魚」 60.5×63㎝ S15号程度 キャンバスに油彩 (1948)
これも前作のP175とほとんど同じで 構図を変更し より均衡の取れた状態にするために描かれたようだ。バルテュスの場合は自らの創案の追求と構成へのこだわりから このような同じ内容を変えて何枚も描く事を幾度か行なっている。確かにP175よりも均衡はとれ 全体はすっきりと見やすくなっているとも言える。しかし最初のP174のような奇妙な感じは弱まり 日々の暮らしの中の一コマに落ち着き その分安心して見れるようになったと言えるかもしれない。