93-95
P93。「子供の肖像」39×33㎝ F6号程度 キャンバスに油彩 制作年不明
子供の肖像画とされているが 白っぽい色の重ね塗りで形や表情がはっきりしていない。それでも習作とされていない。氏の作品は全部で350点くらいだが このような作品も含まれている。それに未完成作もかなりある。このページの3点もそうだが 前ページの「ロジェと息子」も未完成である。これらは最後まで描き込まれていないが 表現として成立しているとの判断で筆を置いている。人物の場合は顔を中心として 内面が描ければそれで良しとしている場合も多い。このような作品の完成に関する見極めが変わってきたのはやはり近代からであり 印象派以後の具象表現描法からではないだろうか。それにしてもこの「子供の肖像」は印象を描きとどめただけという点で言えば印象派的とも言える。

P95。「テレ−ズの肖像」71×62㎝ F20号程度 キャンバスに油彩 1936
テレ−ズのみを描いた作品で 幼さの残る若い娘を主題として描いた最初の作品である。大きな襟が印象的で表情が目立たないようだが ここにはテレ−ズの頑さが描かれている。それは描かれる事に慣れていない緊張から生じているのだろうが 彼女の頑さは自分自身を画家の視線から守るためだろう。ここには初々しい頑さが示す拒否がある。