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P47。「オデオン広場」100×88cm F40号 キャンバスに油彩 1928

街とそこにいる大人達の姿を描いている。ここではオデオン座の前のカフェの給仕と頭に荷を載せた白衣の職人と階段を降りる人が描かれている。カフェの給仕は画面ぎりぎりに入れられ 白衣の職人は後ろ姿で頭に荷を乗せている。公園から街 子供達から大人達へと描く対象が移るのだが その街の捉え方が少し変わっていて 通常このような角度から街を描くだろうか。カフェの張り出たひさしの形も特異で 背景の建物と何の関係もないようだ。しかしこのような構図を良しとする構成感覚はバルテュスの独自性でもあるが このような構図は不特定の視界と言える。特定の建築物などを描こうとしているのではなく 人と建造物が織りなす街の様子自体を描こうとしているようだ。そしてこのような街の中の大人達の姿に関心を向ける事は 後の青年期の代表作の一つであるP73の「街路」に発展していく また「街路」を遡るとこの作品に至るのである。

P48。「ポン−ヌフの河岸」73×79cm F25号程度 キャンバスに油彩 1928

セ−ヌ川に掛かるポン−ヌフ橋を背景に川岸を散策する人々を描いているが そこは舞台と化したように人々は様々なポーズを取り 配置されている。真直ぐに立ったボーダーの男と前屈みの太った男は互いの飼い犬によって関係付けられているが 画面中央の舟竿を持った男と傘を持った後ろ姿の女性はたまたま居合わせたようだ。これはまさに「街路」の原形で 公園内の子供達の「同居の無関係性」をよりはっきりと打ち出し 街中の大人達を壮大な見せ物として取り扱っている。公園内の子供達を描いた作品とこの作品は同じ年に描かれているのだから 驚くべき事だ。