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P36。「リュクサンブ−ルの円柱」46×38cm F8号程度 厚紙に油彩 1928
庭園の入口だろうか 階段と記念の塔を通して町並みが見えている。筆運びは荒く即興的だが 並木の枝先はしっかりと描き込まれている。そして例の子供達は一人も描かれていない。並んで立つ樹木の枝先の密度と空の広がりを描こうとしているのだろう。こういう所に関心を持つ若いバルテュスの感性は その心根を感じさせながら独自な視線を持っている事の証のようだ。

P37。「リュクサンブ−ルの泉水 (雨模様)」45.6×37.9cm F8号 キャンバスに油彩 1928
庭園の噴水池で模型の舟を浮かべる少年とその後ろの景色が描かれている。舟遊びをする少年の背景には雲行きが怪しくなった空模様が描かれていて その感じが良く出ている。帆船を走らす事に熱中する少年にとって 雲行きよりも風が出てきた喜びの方が大きいだろう。20才の頃の作品。子供の世界をよく観察して描いた作品だが 見ながら描いたのか 記憶で描いたのか。

P38。「雷雨のリュクサンブ−ル」46×55cm F10号程度 キャンバスに油彩 1928 
舟を浮かべて遊ぶ少年達にとうとう雨雲と共に雨が襲ってきた。慌てて用意した傘をさす男の子 舟に手を伸ばす子。奥の人達は傘をさして早々と公園を去って行く。右端の吹き上げられている噴水の水は俄な風に吹き飛ばされている。庭園での出来事を捉えているのだが その場で描いているなら若き画家の上にも雨が降ってきているはずだ。あとで記憶を頼りに仕上げたとしたら雨模様の色彩をよく捉えていると感心する。P37とこの絵も画面の下がぎりぎりまで下げられて少年たちの足ははみ出している。