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「同居の無関係」

P14。「リュクサンブ−ル公園の中の聖体拝領」56×54cm S10号程度 キャンバスに油彩 1925樹木の生い茂った公園の中を散策する二人の女性と半ズボン姿の少年二人が描かれている。樹木は丹念に密度を落とさないように描き込まれ 鬱蒼とした葉の茂りの感じが出ている。ここで注目すべきは右側の少年二人で 背に腕を回している様子や前屈みで何か拾うような姿勢は 後に「ポーズの画家」と呼ばれる姿勢へ強い関心がすでに表れている。    

P15。「リュクサンブ−ル公園の子供達」55×46cm F10号程度 1925
これも公園内の様子を描いていて 樹木の形の組み合わせに特徴があり また人物の様子もよく観察されている。奥の人物は手に輪を持ち 手前の二人は幼く 後ろの一人は前の子の目を覆って驚かせている。このような公園内での子供達の姿は何枚も描かれているが ここでも子供の楽しい世界が描かれている。バルテュスは自作について「自分の幼年時代や思春期の思い出を一つの宝物としてそこから多くの主題を汲み取りました。」と言っている。ここに描かれた子達の姿は自らの思い出と重なっているのだろう。

P16。「リュクサンブ−ル公園 (小さな船乗り)」72×59cm F20号 1925
先の二点と同じく公園内の樹木と複数の人物が描かれているが 先の2点よりも木々の形や種類と人物の身ぶりや姿勢は多様になっている。右下の後ろ姿の少女 左下の歩き去る二人 中央の二人連れの一人は手に持ったものを掲げ もう一人がそれに手を伸ばしている。中央左の少年は両手を上げて何かを捕まえようとしている。ここでは子供達の楽しい世界よりも多様な人物を画面にどのように配置するかに工夫が施されているようだ。また人々は公園という同じの場にいながら互いに関係なく様々に過ごしていて ここでの4組の人達もそのように描かれている。このような状態は「同居の無関係」と呼べるだろう。この「同居の無関係」は後の「街路」などに結実するする事になる。